よい子のラノベ教室

ラノベ作家デビューをたくらむ会社員が   読んだり書いたり

感想文4冊目(非ラノベ)『絶対服従者』は力作だけど、う〜ん・・・

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富士見ファンタジア小説大賞と日本ファンタジー小説大賞は、

同じように見えるけれど、まったくの別物であることがわかる一冊。

 

本作は第24回日本ファンタジー小説大賞の優秀作。

ざっくり言うと、ブレードランナーレプリカントを昆虫に置き換えて、

舞台を日本の近未来にしたような話。

・・・と言ってしまうと飛躍しすぎ?

 

この賞はラノベの賞ではない。

ライトではなく、しっかり「小説」してる。

どこがどう違うのか、思いつつくママに挙げて見よう。

 ・毒舌美少女が出てこない(ややツンデレの美昆虫はいる)

 ・重たいテーマ(人種・異種)

 ・グロい、陰鬱な描写が続くところもあり

 ・ナドナド

 

暗くて深刻で真面目なんだよね。

それが悪いわけでもないし、て言うか、むしろ主の読書歴に近いけど、

ラノベを書くのであれば、反面教師的な気づきにつながる。

つまり「もっと読者を気軽に楽しませろ」ってこと。

 

ラノベを読みたい人は、ガッツリと読みたいわけじゃない。

頭使わず、手軽に、気持ちよくなりたい(だよね?)。

ならば作り手も、それに応える必要がある。

本格フレンチやイタリアン、懐石料理を作ろうとしてはいけない。

カレーかラーメン。

いや、ポテチとコーラで十分。

ちょっと小腹が空いてる時に、軽くつまみたいだけなんだから。

 

もちろん、本格シェフの道を歩むのもありなんだけれど、

それは作家で食っていく人に任せておこう。

 

ちなみに文庫本がなく、しかも品切れなので、中古で購入したんだけど、

「乞御好評」の短冊が挟まってた。

あ〜、これ著者か出版社が誰かに献本したやつだよね。

ブックオフに売られるなんて、ちょっと切なくないですか。

う〜ん・・・

感想文3冊目『弱キャラ友崎くん』は勝間和代のラノベ化説。

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 この本は新人賞の受賞作ではなく、ある程度ベテラン書いたラノベ

なんでこの本を読もうと思ったのかというと、

ふとしたきっかけで、本書が某書店で一風変わった売られ方をしていると

小耳に挟んだから。

なんでも、ビジネス書(自己啓発書)として売り出されているとか。

 

どういうことか真相を確かめるべく取り寄せて見たところ、

マジでそうだった。

あるゲームだけ神級に強いけど、リアルには冴えない少年が、

そのゲームで2番目に強いリア充の女の子から、

「リアルの世界の攻略法」を学ぶという筋書き。

で、そのリアルの世界の攻略法というのが、自己啓発書のノウハウ。

たとえば、イケメンや美少女でなくても表情を変えれば印象は変わる、とか。

で、少女の指示に従い、主人公の少年が口角を上げる特訓をする。

 

うん、聞いたことがある。

勝間和代マッキンゼー時代、やってたやつだ。

確か、口角を上げるために、割り箸を加えて訓練したとか。

 

つまり、「自分を変える」「意識高い系」のハウツーを、

ラノベに持ち込んだってわけだ。

これはいいヒントになりそう。

 

ここ何日か「自分が書くなら、どんなテーマのものを書くのか」、

つらつら考えて見たんだけど、どうにも考えが収束しないんだよね。

で、この本を含めいろいろ読んで悩んだ末に、2つの結論にたどり着いた。

 

1つ。まったく新しい物語を考えようとしない。

これは何も、パクリをやろうぜって言っているわけではない。

先人が切り開いてきた道の先を、新たに切り開けばいいんじゃね?

という意味。

イノベーションとは、まったく無から有を産むことではなく、

今あるものから、新しい意味や価値を生み出すことと聞いたことがある。

それに、自分が考えた物語がまったく新しいものかどうかなんて、

検証しようがないんだよね。

さらに言えば、読者がまったく新しい物語を求めているとも限らない。

その点、『弱キャラ友崎くん』は、

ビジネス書の素材をラノベに持ってくることで新しい価値を生み出している。

これがヒント1。

 

もう1つのヒントは、やはり、大人には大人の戦い方があるということ。

ブログ主は、そこそこのおっさんだ。

臨場感あふれる学園描写や、淡い男女の恋話をリアリティを持って書くのは、

相当無理があるんですよ、実際。

そこで戦っては、つい最近まで学生だった若手作家に勝てるはずがない。

もちろん、社会人経験をそのまま書いてはラノベにならないんだけど、

そこで経験したこと、見聞きしたことをうまくラノベに活かせば、

自分のオリジナリティを出せるし、ネタもそこそこストックがある。

他者と差別化を図るには、ここは一つ武器になるだろう。

これがヒント2。

 

【勝手にラノベ分析】

・少年の主人公の1人称。基本的には冴えない少年。

・少女は、一見はつらつとした美少女だが、主人この前では毒舌。

 

まだ結論を出すには早いが、ヒロインに表裏を持たせ、

裏では毒舌(S)って設定は、鉄板というか王道かもしれない。

『ソラゴト』もそうだったけど、この設定は多そう。

自分の前でだけは素の表情を見せてくれる少女。

10代の男の子の大好物は、これだな。

 

ちなみに、今まで読んだ2作、つまり新人賞受賞作と違って、

そこそこ実績のある人のラノベは、やっぱり上手い。

文章のこなれ感もそうだが、話の展開も計算して丁寧に書いている。

この本でも、よく考えると強引な展開はあるんだよね。

女の子が「自分が尊敬するゲーマーがリアルでは弱キャラなのが許せない」

という根幹の設定も、まあ、無理があるんじゃない?

でも、そこに無理があってもそんなことは読者にとってどうでもいいことは、

なんとなくわかってきた。

それに、あまりそのことを感じさせない試合運びのうまさも本書にはある。

やるなあ、と思った次第。

 

新人賞作品だけでなく、

一定の評価を得ているラノベもたまには読んだ方が吉だね。

 

以上です

感想文2冊目『通常攻撃が全体攻撃で2回攻撃のお母さんは好きですか?』は俺には無理です。

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これもファンタジア大賞29回大賞作。

 

主人公(ゲーマー少年)のお母さんが、なぜか見た目が若い美少女で、

そのお母さんとMMORPGの世界に入り込んで珍道中。

しかもお母さん初期パラメーターがチート級の強キャラで、

天然のキャラがなんとも可愛らしい、的なラノベ

 

【勝手にラノベ分析】

・ストーリーを楽しむラノベではなく、キャラのやり取りを楽しむラノベ

・主人公の一人称。狂言回しが主人公で、読みどころはお母さんのキャラ。

 

基本的にストーリーはどうでもいいというノリ。

このラノベの商品価値は、親子の掛け合い漫才。

そこが楽しめる人はラストまで満足できる。

 

ブログ主は、残念ながらハマれなかった。

半分くらい読んで「これが最後まで続くのか(ふう)」と思い、

やめちゃった。

お腹いっぱい、ごちそうさまです。

主は結構歳を食ってるので、

「マサキ、このモンスター弱いよね」

「違うよ!ママが異常に強いんだよ!」

的な掛け合いを200P読むだけの体力がないんです。

 

それよりも、えらい簡単にPCのモニターからゲームの世界に入って、

「え? もうちょっと何か、説明的なものはないの?」

と、そういうところに引っかかってしまった。

 

いや、いいんだけどね。

ゲームの世界に入るのに屁理屈こねても、読者は喜ばないだろうから。

それより、美少女ママと息子のやり取りに、クスリと笑いたいんだよ。

だったら、それに注力して、細かいことは放っておくのが吉というもの。

 

選者のコメントを見ても、

「キャラがよい」

「アイデア勝利

とのこと。

 細かいことはいいんだよ、ほんと。

 

【本書から得た気づき】

・読者が読みたいものだけ書けばいい。細かいことは気にしない。

 

以上。

感想文1冊目。『追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ』は『君の名は』認定しました

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ラノベ作家デビューのための研究であれば、

最近の受賞作から読むのが定石だよね。

というわけで第29回ファンタジア大賞金賞受賞作。

 

しかし、内容の想像がつきにくいタイトルだな。

ホラーなのかコメディなのかもわからずに読み始めるという新体験。

今後この方法を個人的に「闇鍋選書」と名付ける。

(多分二度と使用されない)

 

で、肝心の中身だが・・・・

ふんふん、なるほど。

パラレルワールドでボーイミーツガールで田舎で

天災で女の子が死んで生き返らせて巡り合って。

 

はい、『君の名は』に認定します。

 著者の名誉のために言っておくと、

「パクリ」だとか、そういうことを言ってるわけじゃない。

第29回ファンタジア大賞の締め切りがいつだったかはわからないけど、

(ちょっと調べたんだけど、前期とか後期とか、よくわかんないんだよね)

多分映画の公開よりこの本の原稿の方が先にできてたんじゃないかな。

 

それに、もし映画にインスパイアされて書いたとしても、それはそれでアリ。

「今こんなストーリーが求められてる」と気づいて

短期間でそれに近いラノベが書けるのなら、実際大した才能だ。

 

というか、読後に振り返ると、表紙の絵はもろ『君の名は』だよね。

まあいいや。 

話の筋は、そんな感じ。

 

【勝手にラノベ分析】

・物語は『君の名は』。ボーイミーツ&パラレルワードもの。

・主人公の少年の1人称。平凡な少年。特技無し。

・もう一人の主人公の女の子は、基本設定は「外面上品」「実はS」

 (ただし、ストーリーが進行するに従って性格面に変化あり)

・基本、少年が謎の事象に巻き込まれ、それを解決する系の展開。

・キャラありきではなく、ストーリーありき。

 

読んでまず思ったのは

「そんなに超絶上手くなくても大賞は取れるんだな」。

上から目線で何様コメントで悪いんだけど、ごめん、これ率直な気持ち。

その昔、西尾維新を読んで「こんな化け物に勝てるかアアア!」と思った主が、

「い、今なら行けるんじゃね?(ゴクリ)」と、ある意味希望をもらった。

 

文章も、読みにくくはないけど、それほどうまいとも思わない。

話の展開も、あまり斬新さはなく、強引なところもある。

高校生くらいでもババっと思いつきそうな展開。

 

でも、なんだかんだ言って2時間ちょっと楽しませてもらった。

人様をそんなに楽しませるものを書いたことがない主としては、

悪態をつきながらも「全然俺よりスゴいっす」と敬服しているのも事実。

あと読後感は爽やか。

 

文章がそれほど上手くない(主の主観)のは、

これがデビュー作だからしょうがない。

実際、半年後に続編が刊行されているようだから、

これからだんだん上達するんだろう。

 

あと、高校生がバッと考えそうな筋書きも、それが悪いことじゃない。

おっさんがジックリ調べて考えた筋書きは、ラノベでは求められてない。

要は、読者が読みたいものを、書いてあげることが大事。 

 

著者のあとがきが、なかなか参考になった。

謙遜もあるだろうけど「全然受賞する自信がなかった」ことと、

1ヶ月半くらいで書き上げたことと、

最初と、途中の絡みと、最後だけイメージがあって、

あとは勢いで埋めて言ったという執筆裏話。

こういう「スタイル」の話は、本当に参考になる。

 

受賞理由は、ファンタジア大賞のサイトによると、

「非常によくできたラブストーリー」

「練りこまれた王道青春SF」

「普遍性の高さ」

等々。

ラノベではないが」という意見も発見した。

え?

これ、ラノベの大賞じゃないの?

っていうか、ラノベの定義ってなに?

そのあたりは、まあ、いずれ肌感覚で理解していこう。

 

謎のポストに昔の年賀状を入れるとその通りになる、

本書のキモの設定は、結構非現実的というか、

無理があるような気がしていたんだけど、

そのあたりは余裕で大丈夫なようだ。

多少強引でも夢があればオッケーということなのね。

 

それにしても、タイトルの意味はいまだにわからない。

応募時点のタイトル『だから少年は彼女を消すことにした』は、

ちょっと暗いしネタバレ感があるから変えた方がいいと思うけど、

ソラゴトってなんだろうね?

その「なんだろうね?」感がいいのかな。

 

【本書から得た気づき】

・文章力がないとか嘆いてないで、まず書き上げようね。

・一見しおらしいけど毒舌の女の子は鉄板の人気キャラ。

・自分では「少し恥ずかしい展開」くらいが中高生に受ける(未確認)

 

やっぱり萌え系のイラストはいるよね

 

暑い夜が続きます。

これも地球温暖化が原因ですね。

困ったもんだ。

 

さてさて。

曲がりなりにもラノベ関連のブログを開設するなら、

やっぱり萌え系のイラストがないとテンション上がらないよね。

でも知り合いに絵師はいないっす。

エゴコロ? 何それ食えるの?

 

かと言って、人様のイラストを無断借用するような不埒者にはなりませんよ。

ええ、なりませんとも。

じゃあヘッダーのイラストは何かって?

ああ、それは環境省の公式キャラ「君野ミライちゃん」ですが何か?

ondankataisaku.env.go.jp

地球温暖化対策の運動に賛同の意を示し、

啓蒙する目的で使用できるキャラなんです。

 

私?

もちろん温暖化を危惧する一人です。

 

今日も暑いですね。

困ったもんですわ。

 

おことわり

このブログは、会社勤めがそこそこ長い主が、

ふと「あ〜、ラノベ書いてみて〜」と思い立ち、

まずは最近のラノベとか研究しようと思って立ち上げたブログです。

 

とりあえず半年後には1冊分の原稿を書いて

どこかに応募してみようと思うんだけど、

ぶっちゃけここ10年で1冊も読んでないんだよね、ラノベ

「じゃあ何でラノベ書きたいんだよ」という問いには

おいおいアンサーするとして、

とりあえず手始めに、何冊か読むことにした。

最初の一歩を踏み出さないと何も始まらない、って

誰か偉い人がのたまってたし。

 

で、その備忘録や気づきを書き留める目的で、

30分くらいで開設したのがコレ。

つまり、ラノベ作家でもなく、読者でさえなく、

超弩素人が主のブログなので、

本人以外には、まあ、役に立たないわけですわ。

 

以上「おことわり」でした。