よい子のラノベ教室

ラノベ作家デビューをたくらむ会社員が   読んだり書いたり

『拝啓、本が売れません』はラノベ志望者の参考になる

nukaga-mio.work

 

本書を手に取った主な理由は、ラノベの参考にしようと思ってのことではなく、

ブログ主も出版業界の片隅で息をしているから。

なぜ本が売れないのか、ということは、10年以上の悩みの種だ。

それをテーマにした本が売れるとは到底思えないんだけど、

職業的な関心と、著者の経歴に注目して買って見た。

著者は25歳で松本清張賞小学館文庫小説賞を受賞している。

ある意味、小説家になりたい人からしてみれば、マラソンのゴールテープを1着で切ったように見えるご経歴だ。そんな著者をして、本が売れないと嘆くのかあ、と傷跡を舐めてみたい衝動を抑えきれずに読み始める。

 

で、240Pくらいの単行本を1時間ちょっとで読み終えた。

あまり文字数もなく、文章も読みやすいので、あっという間だ。

 

正直、書店さんに取材したくだりや、映像関係者やウェブ関係者に取材したくだりは、参考にならなかった。ふ〜ん、って感じ。

しかしながら、いくつか「ふむふむ」とページの端を折ってメモしたことも。

 

まず、この著者曰く、すべての出版社の編集者が同じことをいうそうだ。

それは「もっとわかりやすく」。

言いすぎる、説明しすぎるほどしろ、と。

これは覚えておこう。手を抜いてはダメなのだ。

 

あとは、キャラクター。

これは、取材をした三木一馬もそう言っているし、新潮nextの趣旨にもそうあるのだが、「現代の面白い小説=キャラクター」が鉄板らしい。

そして、ラノベはその最たるものらしい。

なるほど、以前、住野よゐがラノベ作家ではないかと疑った事がある。

それは文体がそうだったからだが、ラノベか否かは文体ではないのだ。

ぶっ飛んでるキャラクターの有無。

ブログ主の中でも、これは非常に有益な示唆であった。

 

最後に。

著者の額賀氏が読者対象として、「中学生の頃の、教室の片隅で、本を読んでいた自分。あの子が、その本を通して、だれかと交流できたらいいな」というようなことを書いていた。

これも大変、いい視点だと思う。

読者対象を、現在の自分にしてしまうと、色々問題がある。というか無理が生じる。

ブログ主も、あの頃の自分に、届けるつもりで書いてみようと思う。