よい子のラノベ教室

ラノベ作家デビューをたくらむ会社員が   読んだり書いたり

初めてラノベを書く際に留意すべき3つのこと

10冊も読めば「だいたい」ラノベについて肌感覚で理解できた。

逆にこれ以上読んでも、何かの域値を超えて開眼するということはなさそうだ。

何事も、最初に一つ何かを動かさないことには、始まらない。

だから、とりあえず書き始めることにした。

と言っても、最初の何ページかを書いたのではなく、「こんなシーンも書こうかな」という、ストーリーの途中の、カットしてもどうでもいいところを、ザッと2000字くらい、2時間くらいで殴り書きした。

 

そうすると、自分なりにいくつかの気づきがあった。

(多分、今の主にだけに該当する気づきだと思われる)

 

一つ。

やはりキャラクターの性格は、はっきりと極端に設定しておくべきだ。

ここが「もやっ」としていると、登場人物のセリフや行動が、すべて「書き手」になってしまう。

男だろうが女だろうが子供だろうが大人だろうが、同じ思考&言動の「書き手」がたくさん登場してきて、クローン同士のやりとりが始まる。

これがなかなか気持ち悪い(笑)

まあ所詮登場人物の「中の人」は漏れなく「書き手」になるわけだが、気を抜いてると、地味でつまらない「書き手」の掛け合いになるというわけだ。

そうならないためにキャラ設定はしっかりやっておくべきで、なおかつ、極端なほどしておくべきということ。ちょっとくらい色付けしても、なかなかキャラが立たないから。

 

二つ。

上記の一つ目とやや矛盾するけれど、「キャラ設定はあとで変えてもいい」くらいに考えて、とりあえず書き進めた方がいい、ということ。

キャラクターの個性が売りのラノベなら話は別だが、そこそこストーリー重視のものであれば、あとでキャラクターの性格や設定を変えても、多分大丈夫。

というか、最初から完璧なキャラ設定をして、ぴったりのセリフや行動をさせようと思っても無理だと思う。少なくとも主には無理。

だから、まずストーリーを追う形でざっと話を作って、あとでキャラのセリフや行動にエッジを効かせるのがいいと思う。書きながら「こいつは、もっとお笑い系にしよう」「こいつはもっとお姉さんキャラにしよう」という具合に。話を進めて言ったり、キャラ同士を絡ませていく過程で、見えてくるものもあるだろう。

最初から完璧な人格(キャラ)を作ってからスタートしようと思うと、多分、いつまでたっても書き進められないか、ちょっと書き進めてヤメての繰り返しになりそうだ。

 

三つ。

上の二つ目に関連するが、とりあえず、書き上げること。

つまらなくても、矛盾があっても、書き上げる。

これが大事。

主も少し誤解していたが、ラノベ(小説全般?)を書くという行為は、頭にある「出来上がった」物語をダウンロードする作業ではない。「頭の中で80点、少なくとも60点の物語を構想してから書き始めよう」なんて思っていては一生書けない。

60点でも30点でも、10点でもいいから、まず「叩き台」をひねり出す。

そこから何度も叩き上げ、60点、70点にしていく。

これが小説を書くという「作業」だ。

おそらく、4〜5回は書き直すだろう。

 

最初の2〜3回位は、そもそも話の辻褄があっていないとか、そういうレベルで。面白い、面白くない以前のレベルで、「小説として成立していない」ものを、なんとか「ルール違反にはなっていない」レベルにする作業が必要だ。人体で言えば、骨格づくりに相当する。「よく考えたら鎖骨がなかった」ということに、この段階で気づくこともあるはずだ。

 

筋書きとして見るに耐えるものになったら、次は「より面白くする」ために、1〜2回書き直す。「こんなシーンも入れた方がいい」「このシーンは意味がなかった」とか、場合によってはキャラが増えたり、減ったり、性格が変わったり。この作業を経てようやく、書き手も「この作品は笑いのエッセンスが多いな」とか「シリアスだな」とか、「俺は意外にラブロマンスを書きたかったのだな」とかがわかってくる。

逆に言うと、ここまで、書き手も正直、どんな作品かはわからないと思う。そんな無責任な、と思うかもしれないが、おそらくこれは正しい。ベテラン作家ならこのあたりのコントロールは可能なのだろうが、初心者作家にとっては、そんなもんだろう。人体で言えば、肉付けとか、髪の毛をつけたりと言ったところ。これを経て「ああ、結構健康的なんだな」「思ったよりセクシーだな」「身長があるね」と言うのが見えてくる。

 

最後にブラッシュアップだ。

気の利いた(と書き手が思っている)セリフ、シーンを付け加えたり、ダサい部分を削ったりする。人体でいうと、表情であったり、化粧であり、洋服を着たりの段階。つまり、最終的な見た目だ。

極端な話、ここでテキストすべて書き換えてもいいと思う。

物語や必要なシーンは、前の作業までで終えている。つまり、本質的な構造や材料は出揃っている。それをどう読み手にデリバリーするか、それがここでの作業だ

必要なら、最後、文章をフルリニューアルしてもいいだろう。

 

作家として未熟なら、自分が鬼編集者となって、何度もダメ出しをして作り上げると言う方法がある。

しかし、どんなダメ原稿でもいいから、原稿がないと、鬼編集者もアドバイスしようがない。

なので、とりあえず、10点の原稿でも書くこと。

初心者には、まずこれが大事だと思う。