感想文6冊目『勇者に期待した僕がバカでした』はいいね! これ好き!
第10回小学館ライトノベル大賞の審査員特別賞受賞作。
あれ? これレベル高くない?
すげえ楽しめたんだけど。
これで審査員特別賞なの?
大賞はどんだけすごいんだコレ。
個人的には、これまで読んだ5冊のラノベで一番好きなやつ。
ざっくりまとめると、社畜&ブラック企業をネタにしたファンタジーもの。
主人公が属する魔王軍が、いわゆる企業体になってる。
役職的には、中間管理職。
新人社員に振り回されたり、上司に気を使ったり、
サラリーマンの悲哀が描かれている。
魔王軍も、コンペで仕事を取ったり、生々しい。
キャラクターがいいんですよ。
主人公は狂言回しの役所だから、それほどキャラが立ってるわけではないけど、
その部下のギャル風魔術師の、ギャルっぷりが、まず可愛らしい。
でもって、役員クラスの四天王が、またそれぞれ個性的。
話の展開もうまいんだな。
冒頭から「勇者が棍棒を購入した」という噂で職場(魔王軍)がざわつくんだけど、
そのシチュエーションがおかしくて。
なんだろう。
まあ、薬にも毒にもならない話といえば、そうなんだけど、
そしてそれは『通常攻撃が全体攻撃で2回攻撃のお母さんは好きですか?』と同じということなんだけど、『通常攻撃〜』は途中で読めなくなって、『勇者〜』は最後までどころか、続編も買いたいとさえ思ってしまったのは、果たしてなんの違いなのか。
世界観の合う、合わないって、こういうことなんだろな。
【勝手にラノベ分析】
・主人公は男性、若い中間管理職。基本的に「振り回され」キャラ。
・サブ主人公が新人社員(魔女)。今時のギャルで、腹たつんだけど憎めない。
・他のキャラも魅力的だが、キャラのやりとりだけでなく、ストーリーもなかなか読ませる。まあ、愚にもつかない話なんだけど、主はこういうの、好きなんだな。
個人的にはすごく好きで、レベルが高いと思うんだけど、
これが大賞ではなく審査員特別審査賞になったのは、
やはり、ちょっと社会人っぽいテーマだからかな。
主は社会人歴が長いから楽しく読めるし、審査員もそうだろうけど、
中学生、高校生がどれくらいこれを楽しめるかは、ちょっとわからない。
だから大賞じゃないのかもね。
でも、続編も出てるから、十分ヒット作なんだろうな。
これが受けるなら、今主が考えてるテーマも受けるかもな、と思った。
以上